修繕費か?減価償却の対象か?

修繕費か?減価償却の対象か?

これに対し経費はいささか面倒です。最も頻繁に生じる問題は修繕費です。

税務上は修繕費となれば、支払時に全額が経費となります。

それに対し税務用語では「資本的支出」と言いますが、支払時に全額が経費にならないものがあります。

いったん建物や設備等のように資産として計上し、その後何年かに分けて減価償却の手続きを通じて費用としていくものです。

減価償却とは、例えば建物本体で考えた場合、建物が経年劣化することによる価値の減少分、と考える事ができるでしょう。

つまり、建物を取得するための支出は、将来の収入を生み出すための前払いと考えるのです。

そのため支払時に全額を経費化するのではなく、耐用年数を考慮した期間で按分すると言う手続きなのです。

この様に考えると、支払時に全額を経費化することが妥当でないことは理解ができても、実務はさらに複雑です。

総論としては判断ができても、個別具体的には修繕費との峻別は容易ではないからです。

ここでその詳細は述べませんが、あえて一言で言えば、その修繕によって寿命が延びるものは資本的支出と考えていいでしょう。

なお、税法では上記のような考え方とは全く別に、各種の特例を設けて早期の償却を促す制度が用意されています。

これは偏に政治的政策的配慮に基づくものであるた め、素人判断は極めて危険であることに注意が必要です。

敷金と権利金、礼金!

敷金と権利金、礼金!

先ずは収入編です。これら3つの科目の性質については、今さら説明の必要はないでしょう。

これらは借家人が入居に際しオーナーに支払うものです。

一般論として、“敷金は退去の際には返却される”のにし、“権利金や礼金は返却されず、

返却される場合でも全額は戻らないもの”と言う認識ではないかと思います。

税務上の考え方はこれらの名称とは一切関係ありません。

どんな名称を使っても、返却不要の部分は課税され、返却される部分は課税の対象外と言うことだけです。

例えば『敷金の内、1ケ月分は償却する』となっていれば、償却分が収入で、総ては契約書から判断されるべきものなのです。

科目や名称等に拘わらずです。そうでなければ、課税されない名称を使うことにより、課税逃れが生じてしまうからです。

また、これらの項目の収入にすべき時期は、原則として契約によることになります。

但し、その明示がなければ実際の支払い日です。

もちろん期間計算等いくつかの例外はありますが、基本的にはその契約日に一括計上です。

「天気の子」の新聖地。駅前廃墟の聖地取壊し!

「天気の子」の新聖地。駅前廃墟の聖地取壊し!

代々木駅前の廃墟、「東京の九龍城」と呼ばれる「代々木会館」。権利調整再開発は頓挫。

ただ4月に旧朝銀系が抵当設定。

物件が動きます。(東洋経済2019.6.29)急に1階が板囲い、建物は閉鎖されました。

「君の名は。」の新海誠監督の新作「天気の子」が7月19日劇場公開。

主人公と天との接点がこの廃墟の屋上です。

新「聖地」誕生。既に聖地巡礼ファンが押し寄せます。

駅ホームからの方がよく見える・・・。

そんな交通利便な駅前廃墟が聖地とは、危険の極み。

理由は不明ですが8月1日建物取壊開始。なお映画での「屋上の神社」と「非常階段」は実在しません。

所有店舗か?賃借店舗か?

所有店舗か?賃借店舗か?

国際会計基準、改正家賃月額100万円×60ケ月年契約なら

「建物利用権資産」と「家賃支払義務債務」とを6,000万円を両建て計上へ・・・。

賃借だと貸借対照表上で資産も債務も膨らみます。

所有と賃借を同じ土俵で比較しやすくするためです。

いよいよ適用開始。2月決算法人初の四半期決算は5月。

国際会計基準のユニーファミマHDは使用権資産とリース負債各7千億円計上で負債総額8割増。

1.6万店舗の半数以上が賃借だから・・・。(日経2019.7.24)

日本基準も同じになれば影響甚大。

不動産サブリース大東建託は2.3兆円計上、債務総額は5,000億円から一気2.8兆円に・・・。(日経2019.3.9)

日本滞在183日未満なら非居住者か?

日本滞在183日未満なら非居住者か?

世界を毎年転々としました。

2012年は日本128日、米国75日、シンガポール68日、中国33日・・・。

税務署は「居住者だ」と課税処分。

争いは裁判所へ。東京地裁2019.5.30は「非居住者だ」。以下を認定しました。

「妻子が日本居住しているのは妻らの生活便宜や教育上配慮。

資産の多くは日本にあるが、シンガポールにも1,700万円の預貯金。

住民票を残しても不自然ではない。国内病院に毎月通院も不自然ではない。」

年183日未満なら非居住者(国外所得へ課税ナシ)と伝わりますが間違いです。

「生活の本拠」か「現実に生活している場所」が「国内にあるか」で判断します。

結論は 「国内になし」。(週刊税務通信2019.7.1)

海外金融口座情報で課税・国外財産調書で告発!

海外金融口座情報で課税・国外財産調書で告発!

国税庁は昨年から各国と金融口座情報自動交換を開始し、64か国から55万件の情報を入手しました。

ある死亡男性の欧州での預金情報を入手し4,000万円申告漏れ課税。

国税庁の「宝の山」です。(読売新聞 2019.7.2)

5千万円超の国外財産があれば「国外財産調書」提出義務。

その「不提出」につき初の刑事告発。脱税への課税処分のついで告発です。(産経2019.7.30)

1坪の借地人30名が突然出現!

1坪の借地人30名が突然出現!

市街地再開発組合の設立には所有権者と借地権者のそれぞれの3分の2以上の同意が必要です。

地主と借地人 とは利益相反があるから「それぞれ」です。

さて、日本橋高島屋ショッピングセンター再開発。

区域内 の地番「日本橋2丁目6-9」は83.63㎡(25.29坪)で4階建て雑居ビル敷地です。

2009年11月24日、三井不動産が土地建物の売買予約の仮登記。

仮登記のまま2010年2月26日に別法人へ所有権を移転します。

2012年11月7日に合同会社15社が設立されます。

全てがこの「日本橋2丁日6-9」が本店所在地。11月20日に更に15社、全て川崎市麻生区。合計30社。

12月12日83.63㎡(25.29坪)を1筆1坪弱の30筆に分筆。

12月13日建物を30社各持分30分の1で購入。

12月14日、 分筆後の30筆に30社それぞれ賃借権の設定登記をします。

これで1坪の借地人30名誕生です。

12月14日に市街地再開発組合設立の認可申請。

借地権者は30社を含めて50名、内40名同意、つまり3分の2以上。

30社がいなければダメだった・・・というわけです。

反対側借地権者は「設立申請後、初めて30社の存在を知った」。

何しろ分筆登記の翌日に建物売買登記。更にその翌日に賃借権設定登記と認可申請です。

2013年4月再開発組合認可。最終、「日本橋2丁目6-9」は三井不動産が購入し閉鎖消滅。30社解散。

東京都の担当者は、「申請時点で客観的に借地権が登記されている実態があれば認めざるをえない・・・!」

30社設立なら反対側は60社設立すればいい・・・。

一番大変だったのは、全社の社名を考えること。その理由は、センスも問われますから。日本橋の現場も大変だったはず。

イオカステ合同会社・アナンケ合同・プラクシディケ・ハルパリケ・へルミッペ一。

調べたらその社名は木星の衛星名だったとか・・・!(東洋経済2019.6.29)

クジラなのか?カモなのか?記憶力はあるのか?

クジラなのか?カモなのか?記憶力はあるのか?

リーマンショックの時代、

「毎日たくさん持ち込まれる案件から一番いいものを選ぶから絶対に損しない(日経 2008.12.19)」と真顔で語った農林中金。

低信用力(サブプライム)住宅ローン担保証券で損失1兆円、33兆円の有価証券を抱えて立ち往生しました。

JA グループ…農家のお金を2兆円つぎ込み損失補てん・・・。

その農林中金を世界が注目します。今度は低信用力企業ローン担保証券投資。

市場規模88兆円(8000億ドル)のうち農林中央が7.4兆円。

今や市場の「クジラ」で、ここでの「発行額や時期は農林中金次第」です。

「厳選して投資・・・、リスクとリターンが合えば今後も投資する(日経2019.5.23)」と語っています。

「サブプライムローンを思い出させる・・・、大丈夫なのかな・・・?」、「日経ヴェリタス2019.6.9」は心配しています。

ゼネコン各社は不動産開発にのめり込みバブル崩壊で危機へ。

今、清水建設は投資の3分の2を不動産開発に投資しています。

「社外取締役制度導入などガバナンス機能は向上している。当時と同じことにはなりようもない」

から大丈夫だとか・・・。(日経 ビジネス2019.6.17)

記憶力はあるのか?

これからの法人終身ガン保険!

これからの法人終身ガン保険!

近年、保険期間が終身で保険料の払込期間が有期のガン保険であっても、法人経営者向けに保険料の払込期間を著しく短期間に設定し、

かつ、その支払い保険料の額が高額なものが販売されている実態があり、

そのような「例外的扱い(…前記の平成24通達一)」の前提としていなかった保険料の払い込み期間と

保健期間(終身)に著しい差異がある保険に係る支払保険料の 額についてまで、「例外的取扱い」の対象となり、

課税所得の適正な期間計算を著しく損なう結果が生じていまし た。
(2019年6月28日国税庁パブコメ回答)

まさに前記、終身なのに3年有期払込のガン保険のことです。

「例外的取扱い」を含めこの平成24年通達は廃止。今後の終身なら「年齢が116歳に達する日まで」の期間配分で損金です。

3年分300万円ほとんど資産計上。50歳契約なら116歳までの66年間に分け毎年5万円弱(=300万円÷66年)だけチビチビ損金化。

「解約返戻金相当額のない(又はごく少額な払戻金の) 短期払保険に加入した場合において、

当該事業年度に支払った保険料の額が(他保険含め一人につき計)30万円以下であるものについて、

その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入している時にはこれを認める。(改正法基通9-3-5の2)

「少額だといちいち面倒、年30万円までなら損金にしてもまあいいか」と新例外的取扱い。

つまり、保険料が年額30万円以下なら損金にできる時代です。

フツーの終身ガン保険を3年ではなく10年有期にしましょう。年払30万円で10年総額300万、これなら年30万円以下。

通達クリア。10年後名義変更です。

これからは年払30万円で10年等有期払、返戻金ナシ終身のガン・医療・定期保険が流行です。

これまでの法人終身ガン保険!

これまでの法人終身ガン保険!

ずっと昔の法人終身ガン保険!

「法人が利益留保を目的としてガン保険に加入するとは考えられない!」(昭和50年法人ガン保険通達)

何ともおおらかな時代でした。通達にこんな文言が書かれているのです。

満期保険金さえなければ損金にできた時代でした。保険会社は通達の抜け穴探し。

満期金ナシだけど年払保険料100万円で10年後の解約返戻金ほぼ1000万円・・・。

「利益留保だけを目的」とする 終身ガン保険。

おおらかだった国税庁も抜け穴封じ規制を繰り返します。

そんな「解約返戻金アリ節税保険」をそれなりに規制しました。

しかし、「解約返戻金ナシなら損金にしてもまあいいか」と「例外的取扱い」を示しました。

「(例外的取扱い)保険契約の解約等において払戻金のないもの

(保険料の払い込み期間が有期払込みであり、保険料払い込み期間が満了した後の解約において、少額の払戻金のある契約を含む)

である場合には、(・・・資産計上の通達の規定にかかわらず・・・)保険料の払い込みの都度、当該保険料を損金の額に算入する」
(平成24年4月27日法人ガン保険通達)

つまり、「解約払戻金」がなければ損金にできた時代です。

でも国税庁は甘かった。「例外的取扱い」そのものが抜け穴。

保険会社は前記フツーの終身ガン保険を3年有期払込にします。最初の3年間だけ保険料払えばあとは払込不要の保険です。

年払保険料は100万円、3年間で総額300万円、解約返戻金ゼロの終身ガン保険。契約者・受取人が法人で、被保険者が社長。

「例外的取扱い」により3年分保険料は全額が損金になります。(2年・5年・10年等商品もあり)

社長個人に名義変更し、社長が会社から保険契約を買います。

解約返戻金で買い取るのが原則ですが、返戻金ゼロなので実務は10万円(入院日額1万円10日分)等で移すことが多いようです。

社長個人はたった10万円で本来なら保険料3年分の300万円近い価値の終身保障を買いました。

個人が負担すべき保険料を法人負担にし、更に損金にします。 もっと高額なガン保険も。