不動産売買では買えない物件!

不動産売買では買えない物件!

銀座や日本橋の老舗店舗ビル、広大な鋳物工場や鉄工所跡地等、古い法人が所有する優良物件。

100年前、先祖が個人資産をつぎ込んだ法人です。

今、株式は兄弟に、そしてイトコに分散です。株式配当は雀の涙、しかし相続評価は高く、相続税が襲います。

東京駅前、丸ノ内ホテルは1924年開業。三菱地所の東京駅前再開発エリアに場所を移しエリアの土地建物一部を保有。

三菱地所はl961年に株式を少数保有し、3割にまで増やし、2018年に丸ノ内ホテルに対しTOB(株式公開買付)、

8割まで買収。社長は三菱地所関係者に。

多数多様な株主がいたのでTOB形式なのでしょうが、実質は不動産M&A。

ある個人株主(0.35%保有)は売らないとか、大株主の子を非常動役員にするとか・・・と、実態は同族会社。

(日経産業,日刊不動産経済通信各2018.2.26)

株式会社丸ノ内ホテルは非上場ですがユニゾ同様にTOBです。

67%又は90%以上買収すれば残余少数株主の締め出し強制買収(スクイーズアウト)も可能です。

三菱地所はまさか 手荒なことはしないでしょうけれど。

丸ノ内ホテルだけでなく、日本中にある「株式会社どこどこ駅前ホテル」でも同じ問題を抱えています。

共有を回避するための予防策!

共有を回避するための予防策!

以上、今まで見てきたように、信託によって共有を解消できる可能性は確かにあるのです。

しかし、基本的には 他の共有者の協力が必要であることもお分かり頂けたのではないでしょうか。

逆に言えば、その協力が得られない場合、共有状態を解消することも、また困難なものになると言うことなのです。

それでは、「とりあえず共有」にしないためにはどうしたらよいのでしょうか。

それは、相続に当たって財産を分割するのを、分割する当事者に任せないと言うことです。

つまり、生前に遺言書を作成し、財産の分割方法を予め指定しておくことなのです。

ご自身の財産であるからこそ、それをどのように相続させるのか、その方に総ての決定権があることを、肝に命じて欲しいのです。

それこそが財産を所有する方が、次代に引き継がせるための責務なのではないでしょうか。

共有解消法としての信託!

共有解消法としての信託!

共有状態の解消には、

1) 共有物の分割

2) 交換

3) 売買(売却)

4) 贈与

5) 信託

の5手法が考えられます。

その中で本日のテーマである信託ですが、信託とは信頼できる者に財産を託し、契約次第では運用のみに留まらず、

売却・処分までをも依頼する法律行為です。

簡単に説明します。

登場人物は3人。

① 自分の財産を託す人(「委託者」と言う)

② その財産の運用や処分等までを引き受け、実行する人(「受託者」と言う)

③ その財産から生じる利益を享受する人(「受益者」と言う)

の3人がそれです。

信託をすると不動産であれば登記簿上は②受託者名義となりますが、その利益を享受する人はあくまで③受益者。

従って、①委託者以外の人が③受益者になると、①委託者から贈与があったものとされ、贈与税が課税されてしまいます。

そのため基本的には①委託者=③受益者で信託を行います。

ではこの信託が何故解消法になり得るのでしょうか。

例えば➀委託者Aが高齢のため共有者の一人として所有する収益物件の管理が困難になってきたとしましょう。

そのままでは➀委託者Aは他の共有者に自己の意思表示もままならず、共有状態の維持も困難になってしまいます。

そこで、➀委託者Aは自己の持ち分を息子であるBに信託します。

するとBが②受託者としてAに代わり、契約に定めたことは何でもできるようになります。

ただ、Bはあくまで②受託者に過ぎないため、その収益自体はAのもの。

贈与税が課税されないよう、①委託者=③受益者としてあるためです。

もちろん、これだけでは共有の解消にはなりません。

しかし、➀委託者Aに代わって他の共有者にモノを言い、 行動していく事で、共有状態を活性化させ、

場合によっては持ち分の買い取りや売却を促すことにもなり得るのです。

その意味では、信託も共有解消の一方法と考えられるでしょう。

共有の何が問題なのか?

共有の何が問題なのか?

では、共有になると何が問題なのでしょうか。

最大の問題点は、原則として全員の合意が必要なことでしょう。

原則として、と言ったのは、他の共有者と意見が異なった場合、自分の共有持ち分だけを売却や処分ができるからです。

この行為に全員の合意は必要ありません。 完全な単独行為です。

ただ、もしその持ち分が性質の良くない部外者に移転したら、とんでもない状況になる恐れもあるのです。

そうでなかったとしても、そもそも全員の合意と言うのはなかなか難しいものなのです。

ただし、同じ共有でも親と子の場合には、親は子供に有利な事を考えてあげることも多いため、喜んで讓歩もしてくれるでしょう。

しかし、これが兄弟姉妹の場合、お互いに独身であればいざ知らず、それぞれに家庭があれば問題は複雑です。

まさに兄弟は他人の始まりとばかり、醜い争いのもとにもなってしまいます。

なぜ共有になってしまうのか?

なぜ共有になってしまうのか?

財産を分割するに当たり、積極的に共有にすることは少ないと思います。

あえて自分以外の人間との共有を望むことはないでしょう。

共有はいわば窮余の策として、仕方なくせざるを得なかった結果なのではないのでしょうか。

では、なぜ望まないのに共有になってしまうのでしょう。

共有は総ての権利と義務が、共有者全員で持ち分による平等になっている状態です。

これなら全員が不平や不満を言えないからでしょう。

言ってみれば、「とりあえず共有」にしておこうと言う安易な発想なのです。

共有は信託で解消しよう!

共有は信託で解消しよう!

相続が「争族」と言われるようになって久しい気がします。

相続税の申告を考えた場合、原則は亡くなってから10ヶ月が申告期限です。

では、「争族」になり期限までに財産分けができない場合はどうなるのでしょう。

民法上は法定相続分による共有となってしまいます。

共有も夫婦や親子であれば別ですが、兄弟同士の共有は最悪の事態。

一時だけであればこの状態もやむを得ないかも知れません。

ここでは共有の問題点と、それを特に信託によって解消する方法を考えてみたいと思います。

M&A後に税務調査修正申告で株価ゼロに!

M&A後に税務調査修正申告で株価ゼロに!

あるM&A。

株式売買契約書には、「以下は真実正確と表明保証する。その違反により損害があれば・・・賠償する」

「本件契約書締結日以前の法人税その他公租公課につき適正な申告納付を行った」との表明保証もされて

1億5000万円でM&Aが成立します。

半年後に税務調査。法人税消費税の修正申告と加算税とで1億4261万円(判決から推定)。

買主はこの申告漏れを表明保証違反として売主に損害賠償請求。

売主は「指示されるまま契約しただけ。表明保証なんか知らない。」

「買い手はデューデリ精通。監査して株価算定したんだから分かってて当然だろ」。

興味深いのは、損害額を裁判所がどう認定したかです。

M&A前(この租税債務の存在を前提としない)の会計士による価格査定報告書は純資産法とDCF法の併用で

9714万円から1億1873万円の間。

申告漏れ後に別会計士による価格査定報告書では純資産法とDCF法とを平均してマイナス639万円。

裁判所は、「(報告書によれば)契約当時の株式価格は0円であり、この租税債務が存在していないとした株式の価格は、

少なくとも報告書価値下限9714万であると認められる(東京地裁2018.3.28)」

買い値は1億5000万円。でも買った時の会社価値9714万円。

しかし申告漏れ分が簿外債務だったので本当の会社価値は0円(マイナスにはならない)。

損害賠償額は9714万円。(銀行法務212019年8月号)

中古賃貸物件融資期間への金融庁回答の結末!

中古賃貸物件融資期間への金融庁回答の結末!

木造アパートの法定耐用年数は22年。

築20年築古物件への長期融資はどうか。

「耐用年数越え融資はダメ」と金融庁が規制指導していると言われました。

「米国では木造戸建ては60年もって当然といわれているのに、なぜ日本の木造は寿命が一律22年なのか」。

東京の西武信金の理事長が政府委員会で指摘。

金融庁回答は意外にも「そのようなことを指導したつもりはない」。

そしてその西武信金は耐用年数越えのローンを始めます。(週刊東洋経済,2016.10.22)

西武信金は法定耐用年数でなく、第三者機関査定の「経済的耐用年数」での融資を開始。

やがて現場は第三者機関に対して望む耐用年数を示唆し、本来融資不可案件に続々融資。

融資獲得すれば給与が増えるから・・・。

スルガ同様に突き進み、2019年5月に金融庁は西武信金に業務改善命令です。(日経2019.7.27)

「融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である」とあります。

他行に波及・・・?厳格化・・・?築古物件への耐用年数越え融資が厳しくなれば、

多額の自己資金が求められ、買い手が限られ、物件価格に影響します。

「重要でない&過分の費用」での修補請求!

「重要でない&過分の費用」での修補請求!

機能上は問題ないけれど、設計仕様より安い仕様(グレードダウン)で建物が造られてしまったら・・・?

工事代金2億3000万円RCマンション。

屋根防水「下地の構造の剛性が低い場合の仕様が、剛性が高い場合の仕様に(ダウングレード)」等々。

富山地裁(2018.3.28)はグレードダウン損害4250万円(他施工瑕疵と合わせて1.3億円)の損害賠償を認め、

「元の仕様に修補するための費用相当額を賠償する責任を負う」。

名古屋高裁(2019.3.27)では3110万円(合わせて7610万円)に減額されましたが、

「約定仕様に反する施行部分を解体撤去し、約定仕様の通り施行し直すことによって修補することが相当」。

従来は発注側が不利。土台は耐久性あるヒバ材が設計仕様、それが下級品に。

損害額はヒバ材との価格差2万4000円だけ。

「土台取換え工事は著しく過分な費用を要する・・・。

見積と現状の価格差に当たる2万4000円の損害を認める。(東京地裁2011.3.4判決)」

水回り部品につきステンレスビスが設計仕様、それが亜鉛メッキビスに。

損害はビスの価格差1.63円×ビスの本数(東京地裁2003.4.20)

それは「瑕疵が重要でない場合においてその修補に過分の費用を要するときはこの限りでない。(修補請求できない)(民法634条瑕疵担保責任)」だから。

それだから、建設会社はヒバ材を使いませんでした。バレない限りやったもの勝ちなのですから…。

今回判決は悪質だったからか、発注者に厳しい判決です。価格差弁償ではなく工事やり直しの負担。

2020年4月施行の新債権法で634条は

「売主は買主に不相当な負担を課するものでないときは買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。(新民562法契約不適合責任)」。

ヒバ材判決文の「過分の費用」は法律から消え、変わるのか。(日経アーキテクチュア2019.8.8)

東新宿・歌舞伎町エリアの空き地はアパ独占!

東新宿・歌舞伎町エリアの空き地はアパ独占!

今、新宿の東新宿・歌舞伎町側にそれなりの更地が出現すると、そのほとんどにアパホテルの建築看板。

来年夏までに新宿のアパホテルは9棟3070室。それで止まらず、このエリアに大量出店を続けます。

アパホテル代表、「新宿の既存6施設は102%の高稼働率を維持。将来的には20~30棟まで施設を増やしても問題ない」

(日刊不動産経済通信2019.7.24)

同代表は「うちはよそがまねできないぐらい儲かっているんです。」

その理由は、“自分で士地を買い自分で建てて運営するから”。

運営だけの外資系等とは違います。それもリーマン後の安値仕入れ多数。

土地代も建物代も今は3倍のはず。(週刊ダイヤモンド2017.11.4)

そんな低コストホテルが沢山あり、それと合算して黒字の内は、つまり全体で黒字なら、近隣相場を無視し高く買い上がり。

個別物件ごと収支考える並の買い手は買い負けて当然。(日経MJ2016.1.27)

2015年の豊島区庁舎跡地6600㎡の活用コンペ。

アパがダントツ411億円。しかし、191億円の東京建物連合に決定です。

アパ案は2000室大型ホテルとコンビニ等のみ。

豊島区は「お金」より「文化とにぎわい」を選び 2020年5月に「ハレザ池袋」としてオープンします。

豊島区が「お金」を選べばここはアパホテルになっていました。(日経電子版2016.1.4)