「内見者数」と「成約率」は違います。
どうもほとんどの大家さんが同じだと感じていますが、この際、分けて考える必要があります。
物事を漠然ととらえずに、分解して考えることは大切です。
たとえば、小学1年生に「ボールを投げる」ことを教える場合、「がんばれ!もっと力を入れて」では、1年経っても投げられるようにはなりません。
では、どうすれば良いのか?
それは、足と上半身、腕に分けてそれぞれ30分ほど練習し、最後に3つを組み合わせる練習をすれば、半日程度でボールを投げられるようになります。
つまり、分解してひとつひとつの方法を考えていくことで、できないを出来るにしていくのが早道です。
話を元に戻します。
内見者数に占める成約率の割合は、良くて新築物件で30%程度です。
また、中古物件なら20%がいいところです。
これはどんなに素晴らしいデザイナーズマンションであってもほとんど変わりません。
普通、空室に困っている大家さんは、内見者が2~3人いて成約しないと、「家賃が高いのではないか」と考えます。
しかし、確率で考えると、1件の入居募集に対して契約できる必要最低限の内見者数は、
新築:1件÷30%=3.3人
中古:1件÷20%=5人
程度です。
内見者数が2~3人で決まらないのであれば、圧倒的に内見者の数が足りないと考えるべきでしょう。
家賃を下げる前に、もっと内見者の数を増やすためにどうしたらいいのか、考えてみることが大切です。
そして、内見者が増えてきて初めて成約率を考えましょう。
成約率を上げるためには、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と考えます。
「内見者」=「敵」とは少し大げさですが、内見者の見学時のチェックポイントを知ることは重要です。
入居者は、まず清潔かどうかを気にします(特に女性)。
部屋の天井の片隅にクモの巣でも残っていようものなら、まず決まらないと思ってください。
壁の中央のシミもないに超したことはありませんが、まず天井の廻縁にクモの巣がないか、汚れていないか、見栄えが悪くないかをチェックするようにしましょう。
また、部屋の臭いも重要です。
人が住まない部屋の空気は腐ります。
だから内見者を案内する前に、部屋の空気を入れ替えておくのは基本中の基本です。
そこに、芳香剤でさわやかな香りづけをしておけば完璧だと言えるでしょう。
また、ブリザードフラワーを飾るのも効果的です。
エントランスを生花で飾るのは、手間や手入れが大変。かといって、造花だとやっぱり雰囲気がでない。
しかし、ブリザードフラワーなら、生花を約1年間美しいままで飾ることができますし、しかも手入れが全く不要です。
ブリザードフラワーは、生花にオーガニック系の染料を吸わせ、特殊な加工を施すことでナ
チュラルな姿や風合い、鮮やかな花色を長期間にわたって保つ加工花のことです。
あなたの奥さんに趣味もかねて作ってもらえれば、お客様にも喜んでもらえ、まさに一石二鳥だと言えるでしょう。
さらに、内見者へのささやかな心づかいとして、部屋に飴をおくのも効果的です。
家族連れなら子供の心を掴むことができますし、滞在時間も長くなります。
共用部分も成約率を上げるには、重要な要素だと言えるでしょう。
共用部分と言えば、よく目につくところにある掲示板。
掲示板へのお知らせメモの張り方も注意が必要です。
以前、とにかく掃除を徹底しているある大家さん(会員さん)は次のように言ったのを今でも忘れられません。
「掲示板のお知らせは画鋲で貼ったりすると、見栄えが悪くなります。針を刺している部分が破れたりしますし。
だから、両面テープで貼るんです。
しかも縦横まっすぐにね。絶対にガムテープで壁にべったり貼るような無神経な貼り方はしませんよ!」
この大家さんが言うとおり、私はしっかり管理できているかどうかをチェックするため、
「掲示板」を必ず観察するようにしています。
試しにみなさんも周辺のライバル物件を見回ってください。
ホントウに一目瞭然です。
建てれば埋まる時代も終わりましたし、また、地方での空室率も20%を超えています。
満室経営を続けるためには、「住空間のサービス業」として、他とは違うオンリーワンを演出するのは重要です