死因贈与は贈与税の対象か?

死因贈与は贈与税の対象か?

「相続人以外の方に財産を残したい」と思うこともあるでしょう。

遺言と言う手段でそれを実現させることは可能です。

生前に予め遺言の内容を知らせていれば、貰う側の方も心の準備ができるかも知れません。

しかし、仮にそんな約束があったとしても、相続人でなかったら、その遺言書を見せて貰える保証はどこにもありません。

場合によっては、遺言書はなかったことにされ、

相続人全員による「分割協議」により財産分けが終わってしまうこともあり得るのです。実はそれを回避する方法が・・・?

代理人の限界!

代理人の限界!

それはともかく何とか無事に分割協議は整いました。

ここで総ては双方とも代理人を通しての手続きとなったのですが、代理行為について少し触れておきましょう。

遺言書がない限り、財産の分割については分割協議をし、分割協議書に署名と押印が必要です。

これは代理人が行なうことも可能です。税務上もこれについては問題ないのですが、一つ面倒なことがあります。

ご自宅や、事業所、賃貸している土地等に認められる「小規模宅地の評価減の特例」や「配偶者の税額軽減」についての適用です。

適用の条件として分割協議書の写しを添付するのですが、条文上は『自署し自己の印を押してあるもの』が必要なのです。

代理人でも良い事にはなっていません。

更に、代理人の署名・押印では、不動産についての登記が通らないのです。

勿論、代理人と言っても、A子の夫のように任意に代理を立てた場合でなく、成年後見制度に基く法的な立場のある代理人はOKです。

いずれにしても、いつまでも自署と押印くらいはできるようにしておきたいものですね。

 

母親の意思能力と手続き!

母親の意思能力と手続き!

それはさておき、A子の夫はしっかりと法定相続分を主張してきました。問題はA子の母親です。

高齢で情況も十分に把握できないため、当初はA子の姉B子が窓口になり対応をしてきたのです。

しかし、さすがに今後のことを考えると、B子もA子の夫と対峙するのはためらいもあったのでしょう。

成年後見制度に基づく成年後見人を選任し、総てを代理人である弁護士に託したのです。

一方でA子の夫も少しでも有利な条件を引き出そうと思ったのでしょう。

自らが直接相手方の弁護士と交渉をするのを避け、弁護士を立ててきました。双方代理人を介しての分割協議となったのです。

成年後見制度は実務的にはお勧めできるものではありません。

本人を保護するための制度ではあるのですが、これを選択してしまうと何をするのも制約を受けてしまうためです。

家庭裁判所への報告を含め、実際の事務作業が煩雑過ぎるのです。