代理人の限界!

それはともかく何とか無事に分割協議は整いました。

ここで総ては双方とも代理人を通しての手続きとなったのですが、代理行為について少し触れておきましょう。

遺言書がない限り、財産の分割については分割協議をし、分割協議書に署名と押印が必要です。

これは代理人が行なうことも可能です。税務上もこれについては問題ないのですが、一つ面倒なことがあります。

ご自宅や、事業所、賃貸している土地等に認められる「小規模宅地の評価減の特例」や「配偶者の税額軽減」についての適用です。

適用の条件として分割協議書の写しを添付するのですが、条文上は『自署し自己の印を押してあるもの』が必要なのです。

代理人でも良い事にはなっていません。

更に、代理人の署名・押印では、不動産についての登記が通らないのです。

勿論、代理人と言っても、A子の夫のように任意に代理を立てた場合でなく、成年後見制度に基く法的な立場のある代理人はOKです。

いずれにしても、いつまでも自署と押印くらいはできるようにしておきたいものですね。