遺留分をモノで渡せば譲渡税!

遺留分をモノで渡せば譲渡税!

「カネでなくモノで渡す」なら代物弁済。

次男から「1億円力ネ払え」。

「この1億円相当の物件で我慢してくれ」と長男は遺言での取得物件モノを次男に渡します。

1億円で売ってその対価で1億円の借金返済したのと同じです。

売ったのと同じだから長男には容赦ナシで譲渡税課税。 税率20%で税金2千万円弱でしょうか。

離婚に際し妻の財産分与請求権1億円(カネ)に、夫が自ら所有の土地建物1億円(モノ)を渡せば譲渡税、

同じ代物弁済だから譲渡税です。税の基本なのです。

「遺留分請求があった場合において、金銭の支払いに代えて、

その債務の履行として資産の移転があったときは、 その履行をした者は消滅した債務額によりその資産を譲渡したものとする。

(6月28日公開:改正所基通33-1の6)」

法制審は税議論をしません。各委員はこの新たな課税をどう認識したか?

「民法482条代物弁済債務者(長男)が、債権者(次男)の承諾を得て、

その負担した給付(カネ1億円)に代えて他の給付(モノ1億円)をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。」

兄弟で話が付けば、遺言を無視し、遺言がなかったことにし、

遺産分割協議書に「次男が物件を相続する」と書いて合法的に議渡税回避できますが、戦闘中の兄弟はどこまで妥協できるか。

次男はこの税制を武器として使えます。

贈与税は軽い、贈与はお得!

贈与税は軽い、贈与はお得!

相続税ゼロのお宅が贈与税20万円払うのは 「損」、無駄です。

相応の相続税のお宅は、贈与税はお得です。贈与税を支払って、相続税をドンドン減らせます。

ポイントは相続税の「限界税率」です。

贈与税には1年110万円の非課税枠があります。

贈与税をびた一文払いたくないのであれば、310万円の贈与でなく、

3年間毎年110万円贈与すれば贈与税0円で相続財産を330万円減らすことが出来ます。

あるいは、子や嫁婿や孫6人に110万円ずつの贈与なら、贈与税0円で相続財産を660万円減らせます。

この辺は工夫次第です。
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一生一度でも、毎年や5年毎でも、子孫嫁婿に、 50万円でも100万円ずつでも贈与式を行います。

「振込」は感謝が伝わらないからダメ、「現金」で手渡しします。

そして、

「何に使ってもいいけど、できれば教育資金に。 ギャンブル資金だけは禁止。」とジジババが一言。

実質は「がんばってね」、「ありがとう」という気持ちの贈与。札束を介して心が伝わり、後はお食事会。幸せな時間です。

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(以下は親から20歳以上子への贈与)

1人710万円の贈与で贈与税は90万円、税率は 12.6%。まだまだ15%未満なので、理屈上は相続財産1億円でもお得です。

相続財産5億円なら、310万円贈与によりその45%の140万円の相続税減です。

贈与税負担は20万円だけですから120万円節税 (前述の額)です。相続税の適用税率45%です。

1人1,110万円の贈与で贈与税は210万円でその税率 は18.9%。理屈上は1,110万円の贈与がお得です。

表①と表②の相続税の適用累進税率と贈与税の平均税率の比較になり、それが「払う贈与税<減る相続税」の分岐点。

ただそれは「理屈の上」です。そんな多額の贈与は理屈で正しくても「気持ち」の上で、また資金的に、厳しいものです。

だから資産家への提案は、子毎に毎年310万円贈与から。

「1,110万円贈与ですらお得…」と知れば、310万円贈与は実行できます。

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大資産家では贈与税がゼロの110万円贈与を何年続けても間に合わず、毎年相応額の贈与です。

そして贈与税税率での最初の税率10%部分は200万円。その合計で310万円。それを過ぎると税率15%です。

310万円贈与だと贈与税は20万円です(税率区切り額が表②の510万円とか710万円です)

大口資産家なら毎年各子に贈与税前提での贈与。

「贈与します」、「もらいました」と書面にし、銀行振込で証拠を残し、子が税務署で贈与税申告をします。

親による子名義借用の預金はダメです。

親が子名義の預金通帳を作成し秘密にしたまま、 親の預金から子名義の預金に毎年310万円振込、

子の名前で勝手に贈与税申告までしてしまう・・・、 それは贈与ではありません。

税務調査でバレれば、親の財産として相続税が課税されます。

子への贈与で、贈与後3年内に親死亡だと贈与財産は相続財産に加算され贈与効果は消えます。

2016年12月最高裁決定で!

2016年12月最高裁決定で!

相続人はABの二人。残された遣産は預金4000万円。

ただし、Aは生前に不動産:5000万円の贈与を受けています。

法定相続分はAB各2分の1。

遺産分割の基準となる財産額は生前贈与(生前受益):5000万円を加えて9000万円なので、各4500万円です。

Aは5000万円の受贈済みなので、Bは「預金全額: 4000万円を受け取って当然!」と思います。

しかし、預金は自動的にA:2000万円・B:2000万円。

分割協議や調停の対象外なのでBは2000万円しか受け取れず、「そんなの不公平だ」と裁判へ。そして、最高裁へ。

普通預金、通常貯金、定期貯金は、相続開始と同時に、当然に、相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる。
(最高裁決定2016.12.19)

解約しない限り払戻し不可の定期預金、定期積金も同様。
(最高裁2017.4.6)

相続での預金の扱いが変わったのです。相続に関する限りでは、当然に分割されません。

遺産分割がまとまらない限り銀行は1円たりとも払戻しに応じないことが正しいとなりました。

(※葬儀費用等は、金融機関ごとに便宜的に対応します)

手元に資金のない相続人には厳しい状況になりました。

「預金を引き出したいなら、この遺産分割協議書にサインしろ」とすごまれれば、ピンチです。