そこで経産省は、「今なら相続税ゼロだよ」キャンペーン。100%納税猶予にして相続税納税額ゼロ、の大盤振る舞い。
【期間限定のキャンペーン】
2023年3月(5年後)に事前申請して、27年末(10年後)の相続贈与に適用。
【相続税の納税猶予新制度】旧制度の納税猶予額は「株式の3分の2×税額の80%=53%…5,300万円」。
それが「株式の100%×税額の100%=100%・・・1億円」に。つまり旧制度の納税猶予額5,300万円は新制度で1億円に。よって納税額ゼロ。
前記【相続税の納税猶予旧制度】での税額5,300万円を1億円、4,700万円を0円に読み替えます。「相続税納税ゼロ」の特例です。
【贈与税の納税猶予新制度】
創業社長が二代目に株100%を贈与。本来の贈与税1.5億円。「事業継続します」と約束すれば全額が納税猶予です。
すなわち創業者死亡なら猶予額1.5億円は全額免除。
しかし、この贈与済の株100%は相続税対象(みなし相続)とされ、二代目に相続税1億円(贈与はなかったとし相続税で再計算するのです)。
ここで二代目が改めて「事業継続します」と約束して(雇用維持約束は不要)相続税1億円全額が猶予され納税ゼロ。贈与税納税猶予でも相続税でも結果ゼロ。
大きな違いは、“相続は時期を選べないが贈与は選べる”こと。だから適用期限2027年末までに贈与してしまいます。
いずれは三代目が納税猶予します。
キャンペーンでは「雇用8割維持」約束は不要だよ。
「8割未達」なら簡単な詫び状1通だけは出してね。
「雇用対策」は単に建前だからリストラもOK。
赤字続きでの廃業。旧制度は罰金・相続税値引きナシだけど、新制度は再計算減額アリです。
死ぬ程の覚悟など不要。
「ちょっとだけの覚悟で税金ゼロにするから気楽に使ってほしい。
ただ財産(簿価)70%以上が賃貸用不動産や預金・株式だったり、収入の75%が家賃等なら、この特例は使わせないよ(それを工夫して使わせるのがプロのワザ)。
サラリーマン従業員は、ローンで買った自宅と退職金の使い残し程度で相続税課税。
中小企業社長なら自宅を会社に移し、役員社宅にし,個人蓄財せず会社で蓄財、うまく工夫して相続財産を自社株だけにして相続税ゼロも可能。
今は「社長なら相続税ゼロ」。