以上、今まで見てきたように、信託によって共有を解消できる可能性は確かにあるのです。
しかし、基本的には 他の共有者の協力が必要であることもお分かり頂けたのではないでしょうか。
逆に言えば、その協力が得られない場合、共有状態を解消することも、また困難なものになると言うことなのです。
それでは、「とりあえず共有」にしないためにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、相続に当たって財産を分割するのを、分割する当事者に任せないと言うことです。
つまり、生前に遺言書を作成し、財産の分割方法を予め指定しておくことなのです。
ご自身の財産であるからこそ、それをどのように相続させるのか、その方に総ての決定権があることを、肝に命じて欲しいのです。
それこそが財産を所有する方が、次代に引き継がせるための責務なのではないでしょうか。