これについては、税法は、一般的な社会常識とは全くかけ離れた考え方をするのです。
一般論として、交際費と言えば“外部の人間との業務上の人間関係を円滑にするため、
酒食、旅行、観劇等を通じて接待、供応するための費用”です。営業活動を行う上で必須の費用ではあります。
しかし、とりわけ法人税法では冗費の抑制と言う観点から、内容の如何に拘わらず、経費として認められる限度額を設けているのです。
そのため、法人としてはその対抗策として、交際費ではなく会議費であるとか、交通費であるとかの経理処理を行いがちです。
勿論、税務署もそこは承知をしていて、税務調査ともなれば周辺の科目については吟味検討が行われます。
また、個人に係る所得税においては、そもそも“不動産所得に交際費は不要”であると考えているフシがあります。
不動産所得は地主や建物のオーナーが得るべき所得です。
貸す側の人間は接待される立場だとでも考えているのでしょうか。
逆に法人税では、限度額までであれば、支払いの事実さえ確認できれば内容を問われることもあまりなく、
アンバランスな取り扱いです。交際費は法人が絶対に有利です。