代襲相続人の遺留分!

代襲相続人の遺留分!

めでたく結婚式を挙げ、新婚生活を過ごし、子を成した次男。しかし色々あって妻と離婚。

実家に戻ってきた出戻り息子(出戻り娘も以下同じ)。

息子の子(以下では「孫」と表記)は離婚した妻と妻の実家筋が育てます。

バツイチ次男が実家に戻らず、アパートで一人暮らしでも同じ。

孫と親との関係はどうなるか。

出戻り次男は親の推定相続人。

孫は出戻り次男の推定相続人。

まず親が死に、次に出戻り息子が死ぬと、順番通りならまあそれなりに考え解決するはず。

リスクは、親より先に出戻り次男が事故などで死ぬことです。

次男の相続手続きは(財産も少なく)それなり解決するはず。

でも相続争いの本丸はいつか起る親の相続。その際に孫は出戻り次男の代襲相続人なのです。

つまり孫は親の相続人になります。良好な人間関係があるとは限らず、孫と何十年も音信不通かもしれません。

しかし遺産分割協議書には孫の実印が必要。

そして孫には次男の代襲相続人としての遺留分があります。

「全財産を長男に」。遣言書を争い無く完璧に実現したければ「孫の遺留分放棄」が必要です。

音信不通となった「孫」の遣留分放棄は容易ではありません。

そこでその予防策が「出戻り次男の遺留分放棄」なのです。

次男が遣留分放棄すれば代襲相続人の孫が引継ぐ遣留分はありません。

ただ次男死亡後は次男の遺留分放棄はもはや不可能。

親は「お前(次男)が俺(親)より先に死ぬと孫と揉めるから…」と次男に命じます。

はかない夢、うちの子に限って?

はかない夢、うちの子に限って?

出戻り息子への悪魔の仕打ち、「離婚したなら遺留分放棄しろ!」

親は次男に、「俺が死んだら相続放棄してくれ」と命じ、次男は「いいよ」。

便箋に「親が死んだら相続放棄します。(実印)」

相続放棄は親の死後に子が裁判所に申述するもので、生前の口約束や文書なら無効。

この「生前相続放棄書」 も勿論無効です。

「うちの子に限って」との一儚い夢・・・を信じるのも自由、約束通り放棄するかもしれません。

ただ長男次男は お菓子を取り合い育った好敵手。さあどうか。

相続のプロなら「いい息子さんですね」と軽く受け流し、性悪説に立って問題点を潰します。

もし遺言書がなければ遺産分割協議。お菓子ではなく親の財産を好敵手で取り合います。

親が死に、残された「全財産を長男に」遺言書。

「生前相続放棄」した次男が「財産イラナイ」と約束を守ればそれで解決。

しかし生前相続放棄書は法的無効。

「財産をホシイ」と思えば遺留分・・・。法定相続分の半分は当然の権利で、請求できます。

所有者不明土地問題解消への法制審議会スタート!

所有者不明土地問題解消への法制審議会スタート!

民法と不動産登記法の改正を目指します。

1) 相続登記の義務化

2) 所有権放棄の制度を創設

3) 遺産分割協議に期限

4) 相続財産管理人を土地ごとに選任

以上の4点。2020年秋の改正を目指します。

相続登記しないと罰金?

法務局が死亡情報取得?

放棄を認める条件?

遺産分割に期間制限?

土地別に管理人選任?

不明予備軍対策です。
(日経2019.2.9)