不動産業向け融資残高101兆円。
大規模不動産会社向けは2015~2016年頃、中堅中小向け2016~2017年頃、天井でいったん弱含み。
しかし足元では融資緩和です。
日銀の4月レポートは不動産市場に過熱感はないが、 不動産業向け貸出の対GDP比率は「過熱」状態、融資に注視。
(日経不動産マーケット情報2019.7)
不動産業向け融資残高101兆円。
大規模不動産会社向けは2015~2016年頃、中堅中小向け2016~2017年頃、天井でいったん弱含み。
しかし足元では融資緩和です。
日銀の4月レポートは不動産市場に過熱感はないが、 不動産業向け貸出の対GDP比率は「過熱」状態、融資に注視。
(日経不動産マーケット情報2019.7)
平成期の不動産は外資に付度して米国流になります。
市場は透明になり、パブリック化し、日標着地点は不動産と金融との直結です。
1998年の米国流の金融はキャッシュフローが確実なものにしか融資しません。
当時米国景気は絶好調でした。
さぞ、オフィスビル建設ラッシュだろうと思いきや、ニューヨークのエンパイアステートビルの展望台、
そこからは建設用クレーンは2本しかありません。マンハッタンで5年間に建築されたオフィスビルはたったの1棟でした。
日本は空前の大不況。しかし、東京タワーの展望台からは30本を越える建設用クレーンを数えられまし た。
当時の米国は土地には融資が付きません。収益を生まない土地購入への融資はダメ。土地は自己資金を用意しても建築資金の融資はでません。
事前にテナントが決まり、建物完成後キャッシュフローが見えない限り融資不可(短期資金回収の分譲マンションは別)。
金融と結びつくのに必要なのは、年金基金等への説明責任が果たせるような透明性と物件のキャッシュフローでした。
それがパブリック化への条件です。
日本では1998年の特定資産流動化法(SPG法)。不動産をSPC経由でCMBS化して、金融と不動産と直結させます。
このCMBSの仕組みを知った時も足が震えました。
「米国はこんなスゴイ仕組みを発明する国か。とても太刀打ちできやしない。」
透明になった不動産なら証券化でき、金融市場から膨大な資金を引けます
(ただし、このMBSの仕組みの乱用が後のリーマン危機の元凶になります)。
日本の「証券化」は小口不動産でした。30億円の物件を1口1億円にバラし30人に販売。「1億円が小口」の時代。
そこに「パブリック」という発想などはなく、後の CMBSやREITでの本格証券化を通して私たちはそれを悟ります。
そして、2001年にREIT市場開設。個人の投資資金だけでなく、日銀までREIT買い。金融からREIT経由で不動産にお金が流れます。
金融市場の規模は不動産市場とケタ違い。年金等の資金を迎えるためにと不動産はパブリックなものへ成長しました。
もっともセル氏は「米国では第一級の物件が組み込まれているのに対し、日本ではそうでない。いい物件は三菱地所が保有している。」
(日経ヴェリタス2008.5.18)
第一級品はプライベートのまま。系列REITには二級品を。
金融資金が入りREITは次々物件買い。物件は一度REITに入ると市場に出ません。売り物件は消滅し、不動産は買いばかりに。
セル氏はあの時に
「REIT価格はその日の需給バランスを示しているだけで価値を示しているのではない。」
REITは不動産でなく金融だからです。
ニューヨークでのあの売り物件はバブル負債総額4,500億円で破綻した飛栄産業の都心ビル。
現在はREIT物件です。物件がプライベートからパブリックなものへ進化しました。
銀行の条件は自己資金15%。
実際は価格8,500万円で自己資金ゼロ。
これではダメですが対応策2 つ。
1) 預金通帳の残高を例えば1,500万円に改ざん
2) 銀行提出用の売買契約書は1億円にします。
販売業者が買主口座に1,500万円振込み(見せ金)ます。
銀行は通帳で納得し1億円を融資実行。
本当の契約書は8,500万円(二重契約) なので1,500万円が余り、販売業者に1,500万円返金。
(住宅新報2018.6.19)
大企業高給サラリーマンになら、賃貸1棟、物件価 格1億円へA銀行はフル(オーバー)ローンを融資し ます。
ただし、直後に「2棟目1億円にも融資をお願いします!」と言っても、「しばらく様子を見てからにしましょう」。
年収の何10倍もは、簡単に貸しません。
そこで「一物件・一法人・一銀行」手法の登場です。
「最速何年で十億円メガ大家」志願者に流行で す。
1棟目a物件は(個人でなく)新設法人a(合同会社a 等)がA銀行からの借金1億円で買います。
新設法人なら過年度問題ナシだからと、個人が連帯保証すれば融資OKの銀行も多いようです。
2棟日は「b物件・b法人・B銀行」。
A銀行1億円の借入アリと正直に話せばB銀行は断るはず。
だからa物件のことはB銀行にナイショ。
そし て、b法人で借入。
3棟日は「c物件・c法人・C銀行」。
更にd・e各行にナイショ。
「他に借金ナシです」とウソで固めた「メガ大家」誕生です(銀行了承なら問題なし)。
まともな企業経営者は銀行を騙しウソつくと、ひどい仕打ちが待っている現実を知っています。
融資打ち切り、期限の利益の喪失(全額すぐ返せ)で潰されます。
サラリーマンは世間知らずなのか「銀行なんかチョロいもの」。
銀行がチョロかったのは商業登記名寄せができなかったから。
役員報酬をゼロにすれば個人の確定申告書からもバレません。
本店所在地を自宅以外にすれば新設法人リスト等でバレません。
金融庁は地銀のアパートローンを問題視しています。
問題露見すれば、金融庁は頭取を罵倒し、頭取は支店長を叱責します。
支店長はメガ大家に激怒し、「最初から騙すつもりか」、「覚悟の上か」、「誰から指導されたのか」。
販売仲介業者までも一網打尽・・・?
ウソで契約なら信義則違反です。
取引停止に至るかは個別ですが、一部のメガ大家は破綻危機へ・・・?
a) 物件を不動産業者から紹介を受けた債務者に対する融資実行額が多い順に上位20社をリストアップせよ!
b) 2018年3月期以前の持ち込み不動産業者の管理態勢について、現在に至るまでに改善や見直しを図った実績はあるか?
c) 投資用不動産向け融資に関する議論が行われた取締役会・経営会議の資料と議事録の提出しろ。
もう以前のような緩い不動産投資家向けの融資にもう戻れません。
Aさんは指示通り、預金をネット口座に集めスクリー ンショットを撮り、
別のネット口座に全額を移して撮り、更に別ネット口座に移して撮り。
合計3行分で500万円の残高証明を作りました。
そして、それを基に、西京銀行の融資審査を通過。
更に2棟目、スルガ銀行不正融資発覚後、Aさん口座にTATERUから前家賃として670万円が振り込まれ、
同様3行分のスクリーンショットを撮って1500万円の自己資金です。(家主と地主2019.1)
国交省・金融庁・消費者庁が、事例での注意喚起。
自己資金がないなら預金通帳の残高改ざん・年収基準を満たすよう所得確認資料の改ざん
金融機関の融資審査に必要な資金の振込み(見せ金)・売買契約に必要な諸費用捻出のための水増し価格による売買契約書の作成。
日本経済新聞社のアンケート調査に地銀100行が回答しました。
地銀の4割で、アパート融資案件は不動産業者経由 (つまり不動産業者持込み)が過半でした。
今、積極的に同融資を推進との回答はゼロ。4割は審査を厳しくしていると回答。(日経2018.11.21)
金融監督庁も動きます。アンケートという名の強制調査です。
全金融機関(500超)へのアンケート調査を10月22日に発しました。
実質は問答無用の強制調査(報告命令)で、「第2のスルガ銀行を炙り出し」です。
「一棟建てのアパート・マンション・ゲストハウス (シェアハウス・民泊施設を含む)の土地・建物双方を購入するための融資」
スルガ銀行不正融資事件発覚前の「2018年3月期以前の状況に関して回答せよ・・・」。
1) 一棟建て物件向け融資に関する限度枠の管理をしているか?
2) 収支シミュレーションを実施した上でー融資しているか?
3) その収支シミュレーション用のフォーマットを提出せよ!
4) 何で確認しているか?
a) 給与等収入や財産の状況を確認しているか?
b) 担保評価は何に依拠しているか?
c) 購入金額の一部は自己資金か?
d) 債務が弁済不能になる可能性がある旨を説明しているか?
e) 融資実行後に将来の収支見込みを定期的に更新しているか?
つまり、「テキトーな融資してたんじやないの?」と聞いて捜査したようです。