小規模宅地の特例を利用!

相続税は恩赦的思想のない過酷な税制ですが、唯一ですがやさしい一面があります。

それは、小規模宅地の特例制度です。

亡くなった被相続人の住まいを同居していた配偶者や親族が手放さずに済むよう負担を軽くする制度です。

また、転勤や借家住まいなどの事情を考慮し、過去三年間、持ち家がなければ減税してくれる制度も設けられています。

土地の評価額を330㎡(約100坪)までは8割減らして相続税の課税対象額を少なくしてくれます。

これをうまく利用した具体的な節税方法とは・・・?

40歳の男性をモデルケースに説明してみます。

この男性が所有するマイホームを20歳代の長女に贈与し、自分は持ち家を持たない「家なき子」になります。そして3年以上過ごします。

この段階でこの男性の父親80歳が亡くなれば、父親の土地を相続する場合に税負担が限りなく少なくなります。

この特例を意識して使った人は想像以上で、相続税の減収見込み額はなんと1,350億円だとか。たった3年間で2倍だそうです。

政府・与党はこの対策に、相続時に「住む家がもともとは自分で所有するもの」であったり、「三親等以内の親族が所有する家に住んでいた場合」、小規模宅地の特例の優遇策から外す方針を打ち出しました。

このようなイタチゴッコは、今後も延々と続いていくのでしょう・・・。