当社へ事業性融資はいかが?

当社へ事業性融資はいかが?

銀行には数字(決算書や月次試算書)だけを渡していました。

数字以外(当社の具体的事業等)は理解されないまま担当銀行員は2~3年で転勤で入れ替わりです。

建て売り・売り建て・注文住宅・売買仲介、管理・サブリースの違いも銀行員は知らぬまま。

事業性融資の時代となれば数字以外でのアピールが必要です。数字以外を積極的に説明・・・。ただ口で伝えるのは無理無駄です。

「見える化」。見えるよう書面にしなければ銀行員や支店長に伝わりませんが、説明書作成は大変です。

そこで「見える化」ツール。「経産省ロカベン」という簡単ツールがあります。

地銀等の取引先事業性融資への入口指標という意味で「ベンチマーク」です。

欄を埋めていくと説明書が出来上がります。

銀行員と対話しながら同じ目線で作成するのが前提のツールですが、社長一人で試してみてはどうでしょう。

会計事務所担当者等外部と対話しながらだとより客観的です(会計事務所は顧客サービスに使えます)。

(以下、ベンチマークマニュアルより)—-————-

その作業はそのまま自社の強み弱み分析となります。

業務フローについては実施内容と差別を把握し、商流は取引先と取引理由を整理し、どのような流れで顧客提供価値が生み出されているかを把握します。

4つの視点(経営者・事業・環境・内部管理)に基づく非財務情報について具体的に記載し、総括として現状認識と将来目標を明らかにし、課題と対応策を明らかにします。

————–(以上、ベンチマークマニュアルより)

これは銀行(メインも新規銀行も)に働きかける武器になります。

継続改訂すれば銀行側でも引き継がれ、転勤してくる新担当者に当社を理解してもらえます。

事業、業務フロー、顧客が「見える化」されます。

評価理解可能な会社とそうでない会社への銀行の対応は違って当然です。

プロパー融資(保証協会保証ナシ)時代を生き抜くためです。

保証割合は100%から80%に!

保証割合は100%から80%に!

保証協会セーフティネット保証(経営安定に支障ある中小企業向け)は2018年4月に100%保証から80%保証になりました。

融資先倒産で1000万円回収不能。

100%保証なら1000万円全額保証協会負担。

80%保証なら800万円は保証協会が負担します。

200万円だけが銀行負担。ただ20%でも貸倒れは貸倒れです。

支店長は本部に「なぜか」を報告することになります。

80%保証になるとは、支店長が融資責任を本部から叱責される時代になるということです。

2013年安倍内閣の日本再興戦略は「中小企業の新陳代謝促進」(「潰れる企業は潰せ」とまでは言っていませんが・・・)、地銀や信金等にリスクマネー供給を求めます

2013年末の閣議決定は「セーフティネット保証の平時の運用への移行」、2018年にやっと平時に移行しました(なお、小口や創業者へ100%保証枠は拡大、自主廃業への保証制度の新設)。

担保や保証に頼らず、融資先の事業性を評価しモニタリング(その会社を見守る)しろ。

ただ今の銀行員は多忙です。「そんな面倒、やってられないね」。

しかし、今後の銀行員はこの「事業性融資」から逃げられません。

逆に赤字連続で事業性見込めないミドルリスク先(正常先下位から要注意先)は、「廃業はいかが?」とハシゴを外されかねません。

新陳代謝推進へ自主廃業への保証制度も用意されています。