なんでこんな評価方法に?

相続税課税は時価、自由な取引で成立する客観的価額です。

改正民法1032条:「配偶者居住権は譲渡することができない。」
だから自由な取引などありえず、客観的価額などあり得ません。
にもかかわらず、民法改正要細には、「その財産的価値に相当する価額を相続したものと扱う。」
法制審は換金不可でも財産的価値アリと定め、また 税を考えぬまま評価方法を提示しました。
税理士会連合会は慌てて税制改正建議書で、
「居住権は当事者が合意すれば容易…租税回避防止の観点も踏まえ…」
国税庁も困ったはず。「母を住ませるだけなら使用貸借と同じで評価ゼロだろ」。

しかし、法制審に逆らう勇気はなく、法制審の評価方法に従い税制改正。
それがこの4000万円。絵に描いた餅。譲渡換金できない財産。
一方、子が相続の所有権は居住権の制約付のまま転々と市場流通します。
(「居住権消滅益」への課税はもはや困難?)
さて、その相続評価6000万円の物件、市場では幾らで売れるか?母子一括同時売却や収用なら売買対価は母子でどう分けるのか?
どう課税するのか?今後の課題です。