配偶者居住権創設の背景!

配偶者居住権とは、被相続人が生前配偶者と共に起居していた土地建物に、

“相続後も配偶者が 所有権を有すること無く居住し続ける事ができる権利”です。

なぜこのような権利を創設する必要があったのでしょうか・・・?

(例)例えば次の事例で考えてみましょう。

遺産が居住用の不動産2,000万円と預貯金3,000万円、相続人は妻と子の2人の場合です。

(ケース①)

法定相続分で財産を分割しようと考え、合計5,000万円を1/2ずつ相続する前提です。

妻は不動産2,000万円を取得すると預貯金は500万円になってしまいます。これだけでは残された人生の生計費としては心配です。

預貯金が少額なのは、不動産が法定相続分である1/2の大半を占めてしまうためです。

(ケース②)

こんなケースも考えられます。

再婚の夫婦で、前妻の子が2人いるようなケースです。

再婚後、比較的短期間後に夫の相続があった場合でも、妻には1/2の法定相続権が生じます。

どれ程妻である期間が短くても、入籍していれば妻は妻。それを前妻の子は快く思わず、財産分けでもめる事はよくあることです。

それを理由に入籍を諦める方も、これまでにはたくさんいらっしゃいました。

それもこれも、不動産の所有権が財産の内に占める割合が大きいためなのです。