そもそもA子の相続財産とは?

ここで、そもそも論としてのA子の残した相続財産とはどういうものか、もう一度考えてみましょう。

専業主婦だったため、自ら築いた財産と言うものはありません。

父親のX氏から相続した財産が総てです。

実の父親から受け継いだ財産なのですから、それはそれで父親のX氏にしても、A子の生活に役立つのであれば嬉しい事でしょう。

その大きな財産が、今度はX氏とは血のつながりの全くない他人(法律上は姻族と言う)、A子の夫に移るのです。

しかも民法上の権利として2/3と言う大きな割合で、です。

A子の夫にとってはまさに棚からボタ、青天の霹靂だった事でしょう。

筆者の例で考えれば、私の女房の実家の財産を私が2/3も相続することなのです。

私自身はそんな財産なんて、これっポッチも欲しいとは思いません。

それを女房に話したところ、相続する財産の額が1ケタも2ケタも違っても考えは同じか、と聞かれ即答はできませんでした。

億円単位、ン十億円単位で財産が転がり込んで来れば、私を含め人間性まで変わる可能性は十分あるのでしょう。