ずっと昔の法人終身ガン保険!
「法人が利益留保を目的としてガン保険に加入するとは考えられない!」(昭和50年法人ガン保険通達)
何ともおおらかな時代でした。通達にこんな文言が書かれているのです。
満期保険金さえなければ損金にできた時代でした。保険会社は通達の抜け穴探し。
満期金ナシだけど年払保険料100万円で10年後の解約返戻金ほぼ1000万円・・・。
「利益留保だけを目的」とする 終身ガン保険。
おおらかだった国税庁も抜け穴封じ規制を繰り返します。
そんな「解約返戻金アリ節税保険」をそれなりに規制しました。
しかし、「解約返戻金ナシなら損金にしてもまあいいか」と「例外的取扱い」を示しました。
「(例外的取扱い)保険契約の解約等において払戻金のないもの
(保険料の払い込み期間が有期払込みであり、保険料払い込み期間が満了した後の解約において、少額の払戻金のある契約を含む)
である場合には、(・・・資産計上の通達の規定にかかわらず・・・)保険料の払い込みの都度、当該保険料を損金の額に算入する」
(平成24年4月27日法人ガン保険通達)
つまり、「解約払戻金」がなければ損金にできた時代です。
でも国税庁は甘かった。「例外的取扱い」そのものが抜け穴。
保険会社は前記フツーの終身ガン保険を3年有期払込にします。最初の3年間だけ保険料払えばあとは払込不要の保険です。
年払保険料は100万円、3年間で総額300万円、解約返戻金ゼロの終身ガン保険。契約者・受取人が法人で、被保険者が社長。
「例外的取扱い」により3年分保険料は全額が損金になります。(2年・5年・10年等商品もあり)
社長個人に名義変更し、社長が会社から保険契約を買います。
解約返戻金で買い取るのが原則ですが、返戻金ゼロなので実務は10万円(入院日額1万円10日分)等で移すことが多いようです。
社長個人はたった10万円で本来なら保険料3年分の300万円近い価値の終身保障を買いました。
個人が負担すべき保険料を法人負担にし、更に損金にします。 もっと高額なガン保険も。