当時の日本のビルはプライベートなものばかり。
ビルはプライベート(三菱地所や三井不動産を含む) が所有し続けました。
地上げしてまでプライベートでビル(森ビルの六本木ヒルズ)を所有します。
プライベートだから日本市場に優良ビルの売りは出ません。
仲介はFAX情報を手に朝から煙モクモクの喫茶店に集っての情報交換から。
土地神話下です。値上がりを疑いません。つまり売却は愚か者のすること。
物件は無く、売買ルールも無いに等しく、収益還元法など誰も知りません。
買ってやるからエンジニアリングレポートとかデューディリジェンスと面倒を言えば強気売主の「フザケンナ!」で終る時代・・・。
値決めは、「この辺りは一種(容積率100%)当り1,000万円だから」幾ら。簡単な重説だけで買うのがルール。
しかし、土地神話崩壊で外資頼みへ。
外資に「不動産の価値は?」と聞くと「どれだけキャッシュフローを生むか」。収益還元法です。
日本ローカルのルールは、法定更新や家賃減額請求等、約束破りを認める法制度です。
それではキャッシュフローを確定できず収益還元法を使えません。
私達は闇の中に居ました。だから分からなかった。日本の不動産は世界から見て暗黒大陸。
借家法の存在。情報もなく透明性がない世界。
しかし、外資に頼るには透明性が必須になります。
そして、定期借家は2000年。やっとキャッシュフローを確定できます。
家賃は公開され、簡単重説だけでなく買い手デューディリジェンスです。
売買を「国内初の不動産国際入札」シールドビット方式として、「日経金融1999.1.28」が一面で報じます。