二次相続で相続税は大差に!

二次相続で相続税は大差に!

①共有持分には相続税課税

②居住権なら相続税課税ナシ。

配偶者居住権は配偶者(母)が死ぬと消減します。

子所有の所有権は居住権付とのタガは消減し、自由に1億円で売れます。

6,000万円が1億円に跳ね上がるのです。

借地人が勝手に立退料ナシで立ち退き、地主所有の貸地が突然に更地になったのと同じです。

子はいわば「配偶者居住権消減益4,000万円」を得たのです。

共有持分なら相続税課税。配偶者居住権消減益なら課税ナシ。

所有者との合意や配偶者の放棄により配偶者居住権が消減した場合で、

対価の支払いがなければ所有者へ贈与税です(著しく低い対価ならその差額へ贈与税)。

死亡や期間満了での消滅なら贈与税は課税しません(2019年7月8日公開:改正相続税法基本通達9-13の2)

「配偶者はその死亡による配偶者居住権の消減の時に、

当初設定した配偶者建物の使用収益の完了に至ることから移転しうる経済的価値は存在しないと考えられ、

「みなし贈与」の適用もないと考えられます。」改正税制のすべて(財務省主税局)

ココイチの減価償却は×!

ココイチの減価償却は×!

カレーチェーンの「CoCo壱番屋」。

創業者は音楽ホールを運営する音楽界のパトロン。

億円単位にもなるバイオリン名器「ストラディバリウス」等を若き音楽家へ貸与します。(以下の金額は一部推定仮定)

さて、そんなバイオリン30丁を20億円で同族会社に売却します。

ポイントは減価償却。楽器の法定耐用年数は5年です。しかし、ストラディバリウスなら17-18世紀の作。つまり5年経過です。

簡便法耐用年数はベンツ同様2年。償却費20億円で赤字20億円。

さて、赤字活用で相続税対策です。

売買代金20億円のうち10億円が未払いのままで、言わば創業者から会社への貸付金状態です。

その10億円を放棄。会社は債務免除益10億円計上。しかし、赤字20億円で相殺でき、法人税ゼロ。

個人財産20億円分を法人に移しました。しかし、売買代金相当(貸付金)が相続財産になります。

その貸付金も放棄で消しました。相続税はドンと減るはず・・・。

税務署は減価償却費の否認。

「楽器も貸与して(事業活動として)いれば減価償却できる!」と税理士から説明を受けた・・・。

普通の音楽家が使用する普通の楽器ならその通りでしょう。

しかし、法人税施行令は「時の経過によりその価値の減少しないものは償却資産にならない」。

美術品や骨董品等のことです。このバイオリンもおなじです。だから償却費20億円はゼロに・・・。

そして、20億円の赤宇も消減し、債務免除益は相殺相手消滅で利益として残り法人税課税です。

「国税局は…いずれの楽器も減価償却の資産にならないとして、約20億円の申告の誤りを指摘した。(朝日新聞)」

追徴課税は過少申告加算税を含め5億円。

更に想定外の贈与税課税です。

債務免除10億円により会社純資産が10億円分増えます。それは株式の株価評価が上がること。

株主が子で、 会社に債務免除したのが親なら「みなし贈与」課税で贈与税(相基通9-2(3))。

「同族会社の株主である夫妻と親族5人の計7人が株価上昇で利益を得たとして課税対象になり・・・、

計約7億円の申告漏れ追徴課税は過少申告加算税を含め約4億円」(朝日新聞2019.6.6)

場合によってはヤブヘビも?

場合によってはヤブヘビも?

さて、税務では死因贈与は遺贈と同じ扱いです。つまり、もし課税されるとすれば、贈与税ではなく相続税なのです。

となれば、この受贈者も金額次第で相続税を納める必要が生じてきます。

ただ、相続人でもない人が他人の家の相続税のことなんか、知る由もない事なのです。

こんな時、上記のお尋ねを受けた方は、税務署に対し何と回答したらいいのでしょうか?

本人との死因贈与契約書を税務署に提示し、贈与された認識はありませんと答えるべきなのでしょうか?

本来の回答はそうあるべきでしょう。

しかし、そうなると税務署の対応は、死因贈与であれば相続税の対象であるので、今度は相続税の申告書の有無が問題に・・・。

もし、その本人のご家族が相続税の申告書を提出していれば、死因贈与を受けた人の財産を含めて申告のやり直しでしょう。

財産が加算されれば、全体の相続税が増加します。

従って死因贈与を受けた人の他、本来の相続人の相続税額の負担も増加します。

それは仕方がないとして相続税が無申告であればどうでしょう?

税務署は死因贈与の回答を得て、相続税課税の有無の判断でしょうか?

そこのお父さん、安易に飲み屋で「死んだらA子に〇〇〇〇円やるぞ!」なんて約束をすると、

後日、ご家族が大変な思いをすることになるかも・・・。

登記簿上の移転原因は?

登記簿上の移転原因は?

この中でご注意頂きたいのが不動産で、名義が変わればそれは税務署の知るところになります。

税務署は 登記所(法務局)と大の仲良し。不動産の名義が変わると、たちどころに税務署にもその情報が・・・。

ある時、こんな事がありました。

不動産について死因贈与契約があり、その契約に基づいて財産を受け取るべき人が登記をしたのです。

その結果、直ぐに税務署の知るところになりました。

こんな時、税務署は何をどのように確認するのでしょう。

実は移転原因が死因贈与なので、単に「贈与」となっていたのです。

「死因贈与」とは登記簿には記載されないのです。

すると税務署は、まずは贈与税の申告がなされているか否かを確認します。

申告書が提出されていれば、今度はその価額が税法上の適正な価額となっているかを確認します。

が、もし申告書の提出がなければ、直ちに税務署得意の「贈与についてのお尋ね」を発送し、

対象となった物、 申告書の提出の有無、提出日、価額、提出先の税務署等が質問されることになる訳です。

更に「相続税対策破産時代」。

更に「相続税対策破産時代」。

借金ビル建築で破産、億円単位の借金変額保険で破産、全財産処分しても納税や返済は不可能。

大地主ほど簡単に破産です。サラリーマンも巻き添え。リストラなら住宅ローン破産です。

平成4年に三井家の当主三井八郎衛門氏が亡くなります。相続税の課税財産160億円です。

東京国税局管内の相続財産ランキングで5位です。

財閥家よりランキング上位に一般地主農家が並ぶ時代でした。三井家も物納です。

そんな不動産環境で、不動産業の相続コンサル参入が急増し、上場に至る会社も出現します。

路線価でなく時価申告が必須で不動産鑑定ビジネス、物納前提で貸地整理や境界確定測量ビジネスも広がります。

平成4年に痛ましい相続税自殺が起きます。田園調布で相続税2億円。土地は売れず破産状態。

国税局から差押予告が届き1週間後夫婦服毒死。物納申請1枚出しておけば死なずに済んだのに。

これには国もショックを受けます。平成6年改正で、延納から物納への切り替えを認め、破産直前の地主救済に乗り出します。

国はバブル地価上昇に合わせ相続税基礎控除を拡大しました

ついに地価下落に合わせ基礎控除つまり課税最低限縮小です平成27年の基礎控除引下げです。

マイホームと使い残し退職金程度で相続税課税の、相続税大衆課税時代を迎えています。

相続税は、地主と経営者が対象でしたが、それに加えマイホームだけが財産の一般大衆層も相続税課税対象者に加わりました。

これが「平成30年」に起こった出来事です。国に振り回されっぱなしの地主さん、ご苦労さまでした。

新時代「令 和」はこんなことのない明るく楽しい時代になればよいですね。

路線価と時価の逆転!

路線価と時価の逆転!

平成元年就任の三重野日銀総裁が暴走。

わずか1年で公定歩合を2%台から平成2年8月6%に。同3月大蔵省不動産融資規制がトドメでした。

土地税制改正がなくても地価は下がったはずです。そして、平成4年、公示価格は下落なのに路線価は上昇します。

平成2年頃の路線価は公示価格の5~6割水準。

「土地税制改正大綱」でそれを平成3年に7割水準に、平成4年に8割水準に引上げました(現在に続 く)。

だから公示価格下落でも路線価上昇。すでに地価は暴落の嵐。

路線価は2年連続で2倍、つまり2年で4倍。相続税は累進税率なので税額はいったい何倍になったのでしょうか・・・?

平成4年の全国での相続税課税対象財産の内、 76%もが土地です(平成26年(相続増税前)46%)。

つまり相続税は土地課税でした。

公示価格1億円の土地の路線価はその8割で8000万円。

相続税は最高税率70%なので5,600万円。

1億円で売れれば議渡税を払っても納税できますが、地価は崩壊し5,000万円、更に3,000万円へ。

「相続税破産時代」へ突入です。

売り値は路線価以下が当たり前。税理士が相続税での納税や物納への土地目利きをできなければ地主は簡単に破産しました。

天皇に贈与税課税?

天皇に贈与税課税?

「相続税法12条皇室経済法の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物

【八咫鏡(やたのかがみ)・草薙 剣(くさなぎのつるぎ)・八坂曲玉(やさかにのまがたま)等】

の価額は相続税の課税価格に算入しない。」

天皇ご即位に伴う「三種の神器」は、相続税の対象にはならないことは分かりました。

では、今回は生前ご退位。相続税でなく贈与税では・・・?

「退位特例法(平成29年)附則7条皇位の承継があった場合において、贈与税を課さない。」

この特例法が無ければ国税庁も困ったことでしょう。

生命保険金でなく退職手当金!

生命保険金でなく退職手当金!

この「生命保険金の非課税枠」節税はもう当たり前です。

お勧めは、「退職手当金の非課税枠」。生命保険と同様に1人500万円です。

3人なら非課税枠1,500万円。 折角の非課税枠を活用します。

地主さんは「私は勤め人じゃないから退職金なんてないよ。」確かにその通りです。

そこで、退職金ではないのに、相続税の上では退職金と扱われる「小規模企業共済」が良いでしょう。

勤め人には退職金があるけれど自営業者(個人の地主家主)には退職金がありません。

そんな自営業者の老後の備えのため、引退時の退職金代りの資金を積立てる制度です。

掛金上限は7万円。月7万円つまり年84万円にしましょう。18年続けると1,500万円になります。

本人が受け取れば所得税の退職所得。

本人死亡で遺族(配偶者がいれば配偶者。指定不可)が受け取れば相続税対象ですが、

退職手当金と扱われ、 1,500万円までは相続税非課税になります。

前述生保のような1,500万円を即効全額での一時払いはできません。18年かけて預金1,500万円を非課税に転換していきます。

掛金年84万円は全額が所得税の「所得控除」です。税効果は「必要経費になる」と同じです。

課税所得(所得控除後)が900万円超部分の所得税住民税の税率は計43%です。84万円だとその43%、36万円の税額減です。

さて、相続税納税資金1,500万円を家賃収入年84万円で積立てした場合で比較検討してみます。

<銀行預金で積立てると…>

家賃収入から年84万円18年間で1,500万円。所得税(43%)645万円がかかるので残は855万円。

そして相続税。税率3割で260万円とすれば相続人に残る預金は595万円。

<この共済で積立てると…>

所得税も相続税も全て非課税。1,500万円がそっくり残り、何と2.5倍。家賃収入年84万円分は所得税、 相続税課税ナシ。

ダブル非課税。

地主・家主の不動産賃貸業(事業規模)の個人は契約OK。ただし、「アパート経営等の事業を兼業して いる給与所得者」は不可。

銀行や商工会等で契約。掛金は増減額自由です (2016年までは減額不可でした)。

つまり利益調整に堂々使えます。また解約や借入が可能です。

死亡時受取額は、半年経過後は元本割れしません。年84万円で1,500万円積立てれば実際の受取額は1,500万円でなく1,700万円程。

スゴイ節税メリットの金融商品。節税はまずこの共済月7万円から行いましょう。

退職金のダブル非課税!

退職金のダブル非課税!

生命保険の死亡保険金には相続税非課税枠があります。

相続人1人当り500万円。相続人3人(配偶者と子2人)なら1,500万円。
「生命保険に入っていますか?」に「入っていません。」なら非課税枠が残っているのであれば・・・、

銀行の定期預金1,500万円を解約して一時払い終身保険の保険料1,500万円に充てましょう。

1,500万円は死亡保険金になります。相続税課税対象だった預金1,500万円を、非課税の生命保険金1,500万円に転換しました。

相続財産3億円。配偶者控除後で相続税260万円節税。

相続人3人(子3人)だと450万円の節税です。

銀行が販売手数料狙いでかなり提案販売しているので「もうやったよ」の声も多く、

その時は、銀行では外貨建て保険のことも多いので注意が必要です。

贈与税を払って相続税を減らす!

贈与税を払って相続税を減らす!

「贈与税は重いので贈与は損・・・?」

「贈与税は軽いので贈与は得・・・?」

『払う贈与税』vs『減る相続税』の比較検討です。

<相続なら…>

相続人は子2人、相続財産1億円。相続税は770 万円で、単純平均の税率は7.7%。

<贈与なら…>

子1人に310万円贈与して贈与税20万円(何で310万円かの理由は後述します)。

「20万円もの贈与税はもったいない?」…を検証します。

310万円の贈与により相続財産は310万円減って9,690万円へ。

財産が減ったので相続税額46万円減です。46万円とは310万円の15%。

相続財産310万円減、その部分への適用される税率(限界税率-表①)が15% です。

100円財産が増えると15円の相続税増。100円財産が減ると15円相続税減ということです。だから310万円の15%、46万円減です。

減る相続税46万円-払う贈与税20万円=26万円の節税。

相続税は累進税率。財産が多い程に適用税率が高くなります。

相続財産1億円で適用税率は15%(子の数・配偶者有無でも変わる)ですが、相続財産2億円なら適用

税率30%。310万円贈与でその30%の93万円相続税が減り、贈与税20万円を払っても、73万円の節税。

5億円は45%で140万円が減り120万円の節税です。