買い側の処理で注意するのは?

買い側の処理で注意するのは?

買ってそのまま継続保有ならいいのですが、物件転売やマンション用地にしたいのなら難題。

不動産M&Aとは会社を買うこと。10億円で買ったものは土地ではなく株式です。

もし土地簿価が1000万円ならどうなるか。

10億円で転売分譲すれば売却益9.9億円で法人税3億円課税です。

前例は「剰余金の配当」での所有権移転。

子会社からの物件移転や残余財産現物分配といった手法、含み益や欠損金の扱い、子会社株式償却、等様々な検討をした結果のスキームでしょう。

役員退職金はうまく使えたのか。消費税や源泉義務はどうしたのか。登免税と取得税はどうか。

「第三者の為にする契約」とは?

「第三者の為にする契約」とは?

「売主A→買主B」、「B→C」の2度の売買を「A→C」と1度で登記していました。

1回飛ばしの中間省略登記です。登録免許税が1回分安くなります。

2005年の登記法改正で登記に“登記原因記載” が必要になり中間省略登記はできなくなりました。

所有権が「A→B」「B→C」と2回動くのに「A→C」と記載するのはウソだからです。

そこで専門家は工夫しました。

「A→B」の売買契約書に「AはBの指定する者(C)に対して所有権を移転する」と加えます。

「第三者のためにする契約」と呼ばれ、Bは自分に対してではなく指定先(C)に登記を移転するために売買代金を支払います。

「B→C」の売買契約書には「本物件は前所有者(A)が所有しており(つまり他人物売買)、前所有者からCに所有権を直接移転する」と加えます。

この二つの売買契約で所有権は「A→C」へ直接移転します。

売買契約は「A→B」「B→C」の二つでもBに所有権は移転せず「A→C」へ、中間の所有権移転登記を省略して、直接所有権を移転します。

この「A→C」 は売買契約通りでありウソではありません。

2005年までの「A→C」の中間省略登記はウソで、「A→B」「B→C」がホントでした。

銀行で応接室二つ借り「A→B」「B→C」の売買決済を同時に進め資金確認と同時登記で二重売買等を防ぎます。

Bは“資金無用のサヤ抜きビジネ ス”です。

昔の中間省略登記と違うのは売買契約書に「第三者のためにする契約」と書かれることです。

「A(消費者:売主)→B(業者)→C(消費者:買主)」 でも以前なら契約書記載もなく、

Aさんは「売れないマンションを無理して買い取ってくれたありがたいB さん」に感謝したかもしれません。

しかし、Aさんが売買契約書を読めば、転売されるのが分かるし、銀行で2つの応接室を出たり入ったりしていれば、

Aは「幾らで売るの?私からは安く買っ たの?ひどい一」。

売主買主への調整能力が問わ れます。