秘密企業・・・?

その企業とは東京都品川区に本社を置く「寺田倉 庫」です。
1950年、国の指定倉庫としてコメの保管事業で創 業。その後、倉庫業やトランクルーム、重要文書な どの保管、不動産で順調に発展を遂げた老舗企業 です。
その老舗企業が、創業60年を機に、「旧来の倉庫ビ ジネスのようなスケールと価格競争による消耗戦は もうできない」と、次々と主力事業を売却し、わずか2 年間で1,000人以上いた社員はわずか70人(7%(14 分の1))以下まで縮小したそうです。
また、特色のない土地建物もすべて売り払い、企業 としての大きさは7分の1に縮小したものの、生み出 すキャッシュは8倍近くに増えたそうです。
現在の社長は上場せず、かなりのマスコミ嫌い。
現在の事業は、個人がインターネットを通じて安価 に保管スペースを使えるバーチャル倉庫「minikura (ミニクラ)」。
洋服やシューズ、時計といった個人の所有物を専用 ダンボールで送ると、一品一品、預けたものを画像 データとして手元に送ってくれ、その品物をスマート フォンで管理して、好きな時に取り出せたり、別の場所に送ることもできる画期的なサービスです。
料金は、ダンボール1箱分で月額200円。
現在、インターネットサービス大手の「ヤフーオーク ション」や定額料金で女性のファッションアイテムが 使い放題になるサービスで注目を集めるIT企業の 「エアークローゼット」、
プラモデルやフィギュアの愛好家たちの大事なコレ クションを預かる玩具メーカーのバンダイの「魂ガ レージ」など、多くの引き合いがあるそうです。
まさに「和製アマゾン」です。
私も最初は、アマゾンはインターネットで本が購入 できるサービスだと思っていました。
しかしその後、本当の狙いはテクノロジーによって 進化した“巨大物流倉庫”のようです。
そして、「amazon」“a→z”を指す矢印は、「なんでも 売りますよ」という意味だそうです。
これからは生鮮食料品や定期配送サービス、法人 向け配送サービスまで、他社の既存サービスを凌 駕していくことでしょう。
もう、アマゾンのサービスを真似したくても、テクノ ロジーによって進化する「空間」があるため、誰も できないのでしょう。
「寺田倉庫」はどうもそこを狙っているようです。
独創的なサービスを生み出しながらも、経営者は メディア取材をほとんど受けず、非上場企業のた め経営数値や内情もわかりません。
ですから、「寺田倉庫」は“秘密企業”です。
これからもっと掘り下げてご報告したいと思ってい ます(ワクワク)。